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学ぶことをやめれば、教えることをやめなければならない!

2018年1月2日

2018年1月27日・28日にクリニックを行います。

27日は、中学生の部でシーガルF.C U-15

小学生の部(一般募集)で小4~6年生。

28日は高松南高校で行われます!

内容は、

■ 【ジュニアユース】  実践:攻守における最適なポジショニング

講義:いいポジショニングって?試合で求められる技術・戦術とは?

 

【ジュニア】

講演:日本サッカーの常識は世界の非常識?/サッカーとむき合うために大切ことは?(いろんな質問をしていきます)

実践:ゲームの中で身につける技術とプレーインテリジェンス

 

【高校生】

実践:自分たちから仕掛けるチーム守備で主導権を握る

講義(ワークショップ):チーム戦術に関する講義/目標の立て方を考えよう。将来設計をしてみよう。

そして今回は、中野さん・香川・KAMO・adidas・大塚製薬の方と縁が頂けます。

また県外からも指導者と縁を頂けます。

懇親会は人数は13名ぐらいです。

私おすすめのかつえごで決まりました!

・愛媛県の指導者 ・岡山県の指導者 ・県内のジュニアの指導者 ・県内のジュニアの指導者 とそんな多くのお問い合わせがあるわけではないですが、特に県内の方は是非ご参加してはいかがでしょうか?

こんな場はなかなかないです!

中野さんの活動理念も書かせて頂きます。当日は、書かれている本も販売させて頂きます。

 

【学ぶことをやめれば、教えることをやめなければならない!】

この言葉は私が指導は私が22歳で指導者になった時から心に入れている言葉です。

【中野吉之伴 活動概要】

 

1.スタンダートの整理

(フットボール批評への執筆原稿より引用)

 

ビックトーナメントが終わると必ずトレンドが出てくる。世界のサッカー最先端から見習うものは多くあるし、その貪欲な姿勢には価値がある。だが、その視線の先にあるものが何かを、どこまで緻密に分析できているだろうか。昨年ごろ日本に一時帰国した際に、とある指導者のテクニカルミーティングに参加させてもらったことがあった。その時に資料として日本サッカー協会からの14W杯からひも解くトレンドが紹介された。

 

「ハイインテンシティ」「攻守の切り替え」「1対1の戦い」

 

申し訳ないが、それらはトレンドではない。欧州ではもう何年も前から普通に取り組まれている「スタンダード」の範疇だ。トレンドとは、そうしたスタンダードの上に見られる変化。ブラジルW杯でのトレンドは、例えばオランダやコスタリカが3バックを採用し、CBはただゾーンで守るだけではなく、中盤に降りていくFWの動きについていくことで中央守備の整理したこと。あるいはジョーカーによるゴールが31点も生まれたということ。選手交代で布陣やプレースタイルを変え、試合の流れに影響を及ぼすことがゴールに結びついた。いずれにしてもチーム戦術的柔軟性がトレンドとして挙げられる。

 

「ハイインテンシティ」「攻守の切り替え」「1対1の戦い」というほかの国がすでに普通にやっていることを「これが最先端!」と騒ぐのではなく、腰を据えて身につけなければならないスタンダードとしてとらえなければならないのだ。

 

日本では10年前に問題とされているものが克服され、今では自分たちの武器となっているだろうか。5年前に困難とされていたものが整理され、次の段階に進めているだろうか。それに伴った指導者講習会のカリキュラムへと変更されているだろうか。今日本に必要なのは最先端のメソッドではなく、こうした基本の整理ではないだろうか。

 

そう思うのには理由がある。日本人が海外に出て苦労しているのは「トレンド」がないからではなく、むしろ「スタンダード」がないからではないか。ポテンシャルはすごいと称賛されながら、欧州でブレイクスルーを果たすことができずに終わる選手は、原理原則の部分で対応することができないからだと思われる。「フリーでボールをもらえば仕事ができる」という選手のままでは役には立たない。「フリーでボールをもらうために仕事ができる」選手でなければ、パスも集まらないのだ。ゲームの一部としての自分を把握する目を養い、状況とエリアに応じた仕事ができることが大切なのだ。

 

何かを成しえるためには目標を掲げることが大切だ。到達したいところがなければ歩いていくことができない。だが、どんな目標でも平坦な道があるだけではない。幾多の困難や難関を前にしたときに、裏道を探してばかりではいつまでも乗り越えることはできない。基本がなければ応用はできない。型がなければ型破りは生まれない。ベースが広がることで初めて次のステージに進むことができる。地力をつけるには時間が必要だ。だがそこと真摯に向き合うことこそが、実は何よりの成功への近道であるはずなのだ。

 

2.年代別トレーニングの普及

(サッカー年代別トレーニングの教科書より 一部引用)

【ブレることのない育成ピラミッド】

ドイツの育成プロジェクトはこれまで曖昧だったり、おざなりだったものへ、徹底的にメスを入れ、時間をかけて、明確で意思の通ったものに仕上げた。

 

町・村クラブで目を輝かせてボールを追いかける子どもたちの中からタレントが生まれてくる。ブンデスリーガのユースアカデミーと全国に張巡されたシュツットプンクトが可能な限り、すべての才能の卵を拾い上げ、長期的な視野でサポートする。

 

そして、自分たちが確立した育成コンセプトのもと、将来を見据えた年代に応じたトレーニングが、論理性と人間性を備えた指導者によってなされる。拮抗したハイレベルなリーグ戦を戦い合い、エリート学校との提携で人間としての成長も大切にした。その中で勝ち残ったものだけを求めるのではなく、サッカーを愛するすべての人が、いつまでもサッカーと関われる社会循環を目標に築いた。

 

そうすることでドイツサッカーには、土台から頂点までどっしりとしたピラミッドが作られた。

 

【年代別トレーニングの確立】

▼子どものサッカーは大人のサッカーの縮図ではない

 

これは、C級ライセンスの講習で最初に指導教官から伝えられた言葉で、「育成層で大切なのは選手の成長に目を向けること」を何度も強調された。「どの年代にどんな身体的・精神的な特徴があり、何ができて、何ができないのか」を知ることが指導者には必要であり、その成長状況に適した負荷が考えられらなければならないのだ。

 

【育成年代における指導のあり方】

▼『育成年代』という括りは何のためにあるのか?

 

育成年代に関して、ドイツサッカー協会では次のように具体的な目標が掲げられている。

「U19を終えた段階で、成人サッカーでプレーしていけるだけの基盤を身につける時期」

 

例えば、日本では選手が燃え尽き症候群に陥りやすい高校サッカーは、サッカー人生において終着点ではない。むしろ、そこからが本当のスタートなのだ。子供の興味は移ろいやすいもの。自分に合った対象を見つけるのは大切だし、それがサッカーでなければならないわけではない。だが、サッカーが大好きで毎日のようにボールを蹴っていたのに、卒業を節目にあっさりと離れていったり、引退を口にする子が相当多いとなるとそこには理由があるはずだ。

 

ドイツでも要求過多で子どもの思いを受け止められない時期があった。高校年代までかけて身につけるべきところを、まだキャパシティの少ない子供に押し付けるような指導をすれば、どこかでその歪み(ひずみ)が出てきてしまう。

 

常識的に考えて、大人と子供では、体格、スピード、パワー、経験、知識、思考能力…すべてに差がある。子どもたちは経験を集めている段階だ。サッカーを始めて5年の子どもには5年分の経験しかなく、何十年の経験を持った大人が考える常識通通りに動けるわけがない。

わからないからミスを犯すし、できないからミスをする。それは、できるようになるための大切なプロセスなのだ。

 

認知心理学でこういうのがある。

 

「言った」というのは相手が「聞いた」ということにはならない。

「聞いた」というのは、「理解した」ことにならない。

「理解した」とというのは、「納得した」ということにならない。

「納得した」というのは、「把握した」ということにならない。

「把握した」といいうのは、「動ける」ということにはならない。

 

つまり、こちらが伝えたいことを相手が本当に「わかる」まではとても長いプロセスが必要で、そのためには指導者と選手、お互いからのコミュニケーションが欠かせないのだ。

 

私たちは信号の前で赤信号になれば自然に足を止め、青信号になれば歩き出す。いつ、どこで、何を、どのようにすべきか。考えなくても動けるようになるには何度も成功や失敗を繰り返して身につけるのが大事。だからサッカーでもその環境があるかどうかが成長に影響する。

 

例えば・・・・

 

■少学1~2年生

「サッカー」というスポーツを意識して取り組み始める年代。トレーニングの焦点は基本技術に馴染むことと「ゴールを目指し、ゴールを守る」という大原則と触れ合うことで、特に必要なのは1対1とミニゲーム。1対1はダッシュと結びつけることでスピード強化にもつながるし、ゴールを設置することで「得点を挙げるためにシュートを打つ」という習慣を身に着けていきたい。

 

気を付けなければならないのはプレー人数。人間の発達段階で考えれば、一般的な8~9歳の子どもでも無意識下に思考が向かうのは「自分」「ボール」「ゴール」くらいと言われている。それより小さい子がただがみがみと「まわりを見ろ!」「考えろ!」と指示されてもわかるわけがない。人が多ければ多いほど状況判断は困難で、この年代には正直2対2でも判断が難しいくらい。ただ、それだとゲームという感覚を経験しづらいので、ドイツではチームとしての最小単位であるGK込みでの5対5が推奨されている。

 

また「基本ができないとゲームができない」のではなく、ゲームを通して基本を身に着けていくという考えが望ましい。少人数制のミニゲームにはドリブル、パス、シュート、1対1などすべての要素が詰まっている。

 

何度もゲームを繰り返すことで「まわりの何を見ればいいのか」がわかりだし、「仲間を見つけて、そこへパスをする選択肢がある」ことを知ることができる。そうすれば少しずつ、瞬時に状況を把握して実際に行動に移せるようになるのだ。

 

ちなみに幼稚園から小学低学年の練習では、次のことを特に配慮すべきだ。

 

1.ボールのサイズ

幼稚園から小学校低学年の子どもに大人のボールを扱わせたら負荷が大きい。子どもにあったボールの大きさと重さを考慮する。それがボールコントロールの技術向上につながる。

 

2.ルールの簡略化

シンプルなルールだけを使うこと。どんな練習でも、子どもが理解できなければ何の意味も持たない。ゲームでは審判が細かく笛を吹かなくていい。みんながわかるルール(蹴る・押す・手を使うなど)だけでジャッジし、混乱が生じたときだけコーチが説明するのが望ましい。

 

3.少人数サッカー

各自がより多くのボールタッチができるメリットを最大限に活かし、より多くのプレー機会に結びつける。集中的にサッカーに取り組むことができるうえ、子どもにとっては何よりも楽しい。また、自分のプレーが直接勝敗に結びつくことが多くなる。そんな経験を積むことで、やるべきこと、やっていいことの判断を養うことができる。 最大でもGKを入れて5対5。

 

4.見渡せる)フィールドの広さ

子どもが全体を見渡すことができるフィールドの広さで練習を行うことも重要だ。誰もが攻撃に、守備にと走り回ることでサッカーの原点が自然に身につけられる。

 

5.全員がボールに触れ、ゴールできる環境作り

一列になって長蛇の列を作ることで何分も待ったり、ただ向い合って長時間パスをするトレーニングは避ける。ワクワクするゲーム要素を取り入れたトレーニングを推奨したい。

 

3.地域ネットワークの構築

(年代別トレーニングの教科書より 一部引用)

 

-SCフライブルクの活動例-

【パートナークラブとの連携】

SCフライブルクにとって最も大切なのは地元との密接な結び付きだ。比較的近い位置にあるシュツットガルト、ホッフェンハイムといったブンデスリーガクラブ、あるいはスイスのFCバーゼルには資金力では勝てない。そこでSCフライブルクは独自のアイディアで、こうしたクラブへの対抗策を作り出した。それが地元の有力クラブとの密接な協力関係の構築。

 

例えばFCラーベンスブルクというクラブとパートナー契約を結んでいる。ラーベンスブルクはウルムとボーデン湖の間に位置し、フライブルクからは車で2時間以上の距離。Bユース(U17)までは寮に入ることができないために、通うには遠すぎるこの辺りはスカウティングエリアから外れていた。しかし10年前にラーベンスブルクの下部組織で指導者をしていたパトリック・ツィンマラーがSCフライブルクのCユース(U15)監督になったのをきっかけに、どうすれば立地の悪い地方のタレントを育て、クラブに連れてくることができるかを真剣に考えるようになった。試行錯誤のすえに、ツィンマラーを毎週火曜日に現地に派遣してラーベンスブルクの練習を指導させるというアイディアを思いついた。そして才能ある選手はクラブ内で積極的に飛び級を行わせ、上の学年で練習をさせる。そして金曜日にフライブルクへバスでやってきてSCフライブルクの練習に参加し、寮かホームスティの形で週末を過ごさせる。土曜日に試合に出て、土曜日の夜か日曜日にまたラーベンスブルクに戻るという形を取るようになった。

 

プロクラブでやっているから複雑な練習が必要なわけではない。私はツィンマラーのもとで2ヶ月間研修を受ける機会があったが、彼の言葉にはとてもシンプルなものが多かった。

 

「ゲームにおける積極性・攻撃性の習慣化。ゴールを目指し続けるオフェンシブサッカーを実現するためには、簡単にバックパスを選択せずに、その状況を打破するためのプレーを決断できるようにすることが大切になる。ミスや1対1の状況を怖がらずに、チャレンジしていく姿勢が大事なんだ」

 

「Cユース(U15)からは特に、守備での積極性が絶対条件だ。練習から相手を自由にさせず、ぎりぎりのところまで粘ってボールを奪いに行く姿勢が大切なんだ。これがなければ、そもそも攻撃の練習は成り立たない。激しくぶつかってくる相手に対してどう突破するか、どう現状を打破するか。それにチャレンジすることこそが練習なんだ。そうした激しいプレッシャーに対しても技術・判断を駆使し、ゴールを狙う」

 

一つ一つはあたり前のことかもしれないが、それを常に意識させ、試合でも発揮できるように導いていく。だからこそ関与するのは選手だけではダメなのだ。ラーベンスブルクの指導者には定期的にSCフライブルクの指導者と意見交換を行い、SCフライブルクでで実際に行なっている練習メニューや指導ポイントを伝授してもらう。もちろん同じ練習をしていれば同じくらいのクオリティをもてるようになるわけではない。ラーベンスブルクのユースはそれぞれの年代で2~3部リーグに属しているが、全体としてみればプロクラブの育成ほどプロフェッショナルに取り組むことは難しいし、そこまで求めるのも酷なのはSCフライブルクもわかっている。

 

だが、密度の濃い練習メニューを取り入れ、基本となるポイントを整理させた指導をさせることで、間違いなくそのクラブのベースとなるレベルは上がる。地力がついてくれば、その中から一握りながら意識レベルの高い選手が自分からいろいろなことを吸収し、成長を遂げることは期待できるようになる。成長を遂げた選手には寮に入ることが許可されるBユースからSCフライブルクへと移籍を果たすチャンスがあるし、移籍することができた場合は、レベルは違うとは言えすでにラーベンスブルクでやってきてる練習なので戸惑い少なく、とけ込むことが可能になる。

 

夢破れそこからプロへなることが出来なくても、SCフライブルクで身に付けたものは地元クラブへと持ち帰られ、還元されていく。そうしたサイクルをつくり上げることで相互にポジティブな作用をもたらす。自分たちのクラブを強くするためには自分たちだけ強くなってもダメなのだ。地域一丸となって発展していこうという姿勢が、無理のない、敵を作ることのない育成システムを作り上げる基盤となっている。現在ではこうしたパートナー契約を結んだクラブが6つある。

私たち指導者もホンモノに触れることはやはり大切です。

指導者の皆さま、ぜひ一緒に学びませんか?

お気軽にお問合せください。

 

090-5915-9599

香川敬典

 

まずはお気軽にお電話ください!

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